畳の文化

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日本の文化は、古来、中国大陸からの伝承をもとにしたものが多いのですが、畳は大和民族の生活の知恵が生み出した固有のもので、湿度が高く、気象の変化が激しい日本の風土に、最も適した敷物として育てられ、継承されてきました。
瑞穂の国にふさわしく、稲わらを利用Lて床をつくり、野生のいぐさを改良して畳表を織り、畳という素晴しい敷物をつくりあげたわけです。明治以来の急速な西欧に向った文明開花の時代にも、戦後の激しい石油文化の発展の中でも、畳は日本の住いの中心的役割を果たしてきました。これは、科学の進歩で優秀な化学繊維が、次々に登場してきたにもかかわらず、畳のもつすばらしい特性には対抗できなかったからです。海も山も、化学文明に追いつめられて、安らぎを欠く今日、自然の安らぎがあなたに帰ってくる畳に、自然を問いかけてみませんか。旧漢字でたたみを「疊」と書きます。これは田圃からとれる稲わらを交互に積み重ねたとの意味があります。

いぐさ

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花期  7・8・9・10月

場所  湿地

説明  日本の植物の中で一番短い名前。

細長い茎の中の白いしんは、油をよく吸い上げる性質があるので、昔は明かりをとるための油を燃やすときのしんにした。原野の湿地にはえ、茎は円柱形をしている。高さは0.7から1メートル。
ふつうの葉はなくて、茎の下の方にうろこ状の葉がさやになってついている。花は小さくて目立たず、茶褐色をしている。植物名としては、いちばん短い。茎の中の白いしんは、油を吸い上げる性質がある。昔はこのしんを、油を入れたお皿につけて、一方の先を皿から出して火をつけ、明かりにした。このためトウシンソウとも呼ばれている。畳表の原料として、栽培されているヒゴケの原種である。このヒゴケもイグサと呼ばれることが多い。

畳ベッドの上手な使い方

毎日のお手入れについて

①畳は呼吸しています。湿気は最大の敵です。湿気がこもるとダニ、カビの原因になります。

②ダニはどこの家庭にもいる虫です。ダニは畳が15%以上の水分を吸収すると異常発生することがあります。特に梅雨時には畳の乾燥と通風を心がけてください。

③天気の良い日は窓を開け通風を良くして下さい。

④昼間ベッド等を使用しない時は布団を交互に折りたたんで通風に努めて下さい。

カビ・ダニが発生した場合

①カビは少量ならブラシで取り除いて漂白剤や消毒用アルコールで拭くことでとれます。後はお湯で、次にカラ拭きして風通しを良くし乾燥させてください。

②ダニが発生した場合はあまり神経質にならず室内の湿気を極力外に出す様に工夫して下さい。

③ダニは増やさないことが第一、高温多湿になりやすいベッドは特に要注意、換気ををよくし、できれば一カ月に一回程天気の良い日に畳干しをしてください。(畳表は直射日光に当てると変色しますので陰干しにして下さい。)

ジュウタンやカーテン、ごみの中にもダニは潜んでいますので畳と一緒にお手入れしてください。室内に洗濯を干すと室内に湿気を呼びます。

ひのき床畳

自然素材

「ひのき床」は、吸放湿効果・抗菌効果・防虫効果・森林浴効果が証明されています。また接着剤などの化学物質をつ使わず、縫製のみで形状固定していますので、健康的な素材です。

快適な感触

桧チップを縫製し畳床にしていますので、一般的に仕様されているスタイル畳のようなボード床に比べクッション性に優れています。

お部屋の湿度をコントロール

住宅において、調湿機能をもった素材(材木・土壁)を使用することは健康住宅の大切な要素です。桧はとても吸放湿に優れていますので、お部屋の湿度を調整し、快適な生活を提供します。

快適な睡眠

最近注目される森林浴。桧の成分が人をリラックスさせストレス解消や睡眠に効果的であるとの報告もなされ、関心を集めています。この森林浴の効果を畳に生かしたのが、「森林ひのきシート」を畳に使うことにより最良の睡眠法と健康法を体感することが期待できます。

桧の防虫効果

桧には、ダニを抑制する成分が含まれています。生活の中にダニは、本来いたわけで、殺ダニ剤などで強制的にゼロにした環境が人間に適してるとは思えません。また農薬が含まれた防虫紙はダニを殺しますが、シックハウス症候群などの人間与える影響も多く「自然の力」でダニを抑制することが、快適な住空間を作り出します。

畳の歴史

●「古事記」に倭建命(やまとたけるのみこと)が東征の際、弟橘姫(わとたちばなのひめ)が入水のくだりに「海に入らんとするときに、菅畳八重、皮畳八重、絹畳八重を波のうえに敷きて、その上にくだりましき」とあり、また神武天皇の御歌にも「あし原のしけき小屋にすが畳いやさやしきて我二人ねじ」ともあります。古来畳が敷物として使われていることがわかりますが、この頃は、現在の莚(むしろ)のようなものであったと思われます。

●現在の畳の形式をとるようになったのは平安朝時代で、当時は「厚畳」と呼ばれ、円座、莚等と区別れ、高貴な方の敷物で、身分によって畳の大きさ、縁の生地、色を違えていたようです。

●天皇、上皇等の最高位の人々は、幅9尺(273cm)、長さ16尺(485cm)の大きな畳に縁は玉虫網の繧繝緑。下位の「六段になると、座ぶとん位の大きさで縁も黄色一色であったようです。これらは当時の絵巻物に描かれており、「北野天神縁起」には菅原道真の政敵藤原時平が厚畳に臥しているさまも描かれています。

●身分による畳の差別は、江戸時代中期まできびしく残り、明治維新後、新政府になってはじめて畳の使用、縁の種類等も自由になりました。